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虫歯や歯周病によって歯を失ってしまった場合、インプラント・ブリッジ・部分入れ歯を選択することが多いと思います。当院ではそれらの治療法以外に自家歯牙移植という、自分の歯を移植して、天然歯を残す治療を行なっています。
噛み合わせに参加していない歯(主に親知らず)を移植することによって、天然歯をそのまま保存することができます。天然歯にしかない機能を残すことができるので、当院では適応症例の場合は自家歯牙移植をご提案しています。
インプラントは第二の永久歯と言われていますが、天然歯ではないため厳密には違います。
自家歯牙移植は紛れもない天然歯なので、天然歯にしかない機能も移植することができます。本来使うことのない歯を移植することによって、もう一度自分の歯で噛めるようになる治療です。天然歯の保存を重要視している当院ならではの選択肢であると言えます。
天然歯には、噛む感覚が得られるセンサーの役割や噛む力を和らげるクッションの役割を持つ歯根膜が存在します。そのような機能は、インプラントにはありません。自家歯牙移植によって、天然歯のメリットをそのまま引き継ぎ、噛むという当たり前の行為の大切さに気づくことができます。
一方、デメリットがないわけではありません。親知らずを抜くので外科治療が必要になります。また、大切な歯根膜が壊れないようにする抜歯の技術、歯根膜が乾かないようにする、素早い形成をするなど高い技術も要求されます。また、稀に生着することができずに、移植ができない場合もあります。そのために適切な診査診断やエビデンスに則った治療が必要になります。
エビデンスを元に生存率を算定すると、一番理想的な状態で移植ができれば理論上では移植した歯が天然歯と同様に一生が使えると言えます。一方、処置の精度や術後の口腔環境によって生存率は大きく変化します。また、年齢によって細胞の活性が落ちるため、40歳以降で行うと10代・20代に比べて、生着しにくくなると言われています。
成人の歯牙移植の場合は根管治療が必要になります。ラバーダム防湿、マイクロスコープを用いた精密な根管治療を行います。虫歯治療や歯周病治療に精通しているので、術後治療の口腔衛生状態の管理が可能です。
被せ物の費用によって変わります
抜歯を宣告されてしまい、インプラント治療が必要だとご提案されているかたも、まずはご自身の歯を残すことを諦めないでください。
検査の結果、歯を残せる場合もありますし、残せない場合でも自家歯牙移植を行える可能性があります。
もし、第三者の意見が聞きたいと思われたら、当院の診療相談やセカンドオピニオンをご活用ください。きっとより良い答えが見つかるはずです。