こんにちは。
札幌の自由診療専門歯科クリニックであるユアーズデンタルクリニック院長の湯口晃弘です。
今回は一つの症例を通じて「大人の矯正治療」についてお話したいと思います。
矯正治療とは、歯並びを整える歯列矯正治療を指します。
小学生の時に歯の表面に金属の装置を付けている同級生などを見たことありませんか?
矯正治療というと子どもが行っているイメージがあるかもしれません。
でも最近は大人の方も矯正治療を行うケースが増えているように感じます。
「昔から歯並びが気になっていた」
「いつかはしたいと思っていたけどタイミングがなかった」
「矯正は子どもしかできないと思っていて諦めていた」
「社会人になったら始めようと思っていたがどこに行ったら良いか分からなかった」
などの声をよく聞きます。
はっきり申し上げておきたいのですが、大人になっても矯正治療はできます!
歯はいくつになっても動くんです。
じゃあ、子どもの時と全く同じように動かせるのか?
答えはノーです。
子どもと大人の矯正治療で最も大きく違うのは、
「あごの骨の発育を活用できるかどうか」です。
歯並びを整えるのは、つまりは場所取りと同じで、限られたスペースの中に歯を並べていくんですが、
スペースが足りないから歯並びがガチャガチャになってしまうんですね。
ですので、矯正治療はそのスペースをどう確保していくかという学問なんです。
言うなれば「矯正治療=歯並び学」です。
子どもの時代に矯正ができると、このスペースの確保が、あごの発育に合わせて進めていくことができるので、
スムーズに歯並びを整えていくことが可能になるんです。
ところが、大人になってあごの発育が止まると、スペース確保が難しくなるんです。
歯を抜いて歯が並ぶスペースを確保せざるを得なくなります。
いわゆる「抜歯矯正」という方法です。
もちろんスペースの大きさによっては、歯を抜かない矯正「非抜歯矯正」ができることもあります。
ただやはり大人の矯正治療は子どもの矯正治療に比べるとスペース確保に苦労する傾向にあります。
そしてもっと重要な問題があります。
大人になって矯正治療をしようとした時に、すでに必要な歯を失っていたり、噛み合わせまでおかしくなってしまっている方が結構いるということです。
そうなると、子どもの矯正治療を得意とする矯正歯科の先生方は嫌がります笑。
20歳前後までは矯正治療を積極的に勧めるのですが、それ以降の年齢の患者さんはあまり勧めない傾向があるようです。
本来欲しいところに必要な歯がないと、理想的な歯並び(あくまでその先生が考えた理想)にならないことを懸念して勧めないようです。
しかし、見た目の歯並びが理想的にならなくても、噛み合わせが十分機能するキレイな歯並びは作れます。
噛み合わせをしっかりとしたゴールに収束すれば、大人の歯並びだって改善できる。
つまり、「歯並び学」と「噛み合わせ学」は全然別物だということなんです。
このようにパッと見の歯並びを整えるだけでなく、しっかりと噛み合わせの機能まで確保してこそ大人の矯正の醍醐味と言えるかもしれません。
あとは大人の矯正治療の特徴といえば「矯正用インプラントが使用できる」ことですね。
矯正用インプラントとは、通常のインプラント治療で使用するインプラントとは異なり、
あごの骨に一時的なアンカーとして植立し、治療が終わったら取り外すことのできる小さいインプラントです。
これを活用すると矯正治療の幅が広がるばかりか、今までは大きく歯を削る必要がある場合や、抜歯せざるを得ない場合も、抜歯を回避することができるようになりました。
とても優れモノなのでユアーズデンタルクリニックでもよく使用しています。
痛みも全くありませんしね!
(歯の色が違うところはこのあとホワイトニングしていく予定です♪)
このように歯並びを整える子供の矯正と歯並びから噛み合わせまでトータルで整える大人の矯正の違いは分かっていただけたでしょうか?
ユアーズデンタルクリニックでは審美歯科に矯正治療を取り入れるだけでなく噛み合わせ治療にも力を入れています。
大人になって歯並びが気になる場合はぜひ相談してみてください!