こんにちは。
札幌市の「歯で困った人を救う総合診療歯科医院」ユアーズデンタルクリニック院長湯口です。
さて新しい年が始まり本格的に様々な経済活動が始まりましたね。
引き続きコロナ禍での活動を強いられていますが・・。
私事ですが新年早々ある賞をいただきました。
5万人を超える歯科医療従事者が集う業界最大級の歯科オンラインメディアに、
「ドクターブックアカデミー」と言うプラットフォームがあるのですが、
そこが主催する「ケースレポートグランプリ2021」において優秀発表賞を受賞いたしました。
「根管治療(歯の根の治療)」や「補綴治療(かぶせもの治療)」などの各部門でのグランプリが開催されていたのですが、
私が受賞した部門は「全顎治療セッション」です。
これは口の中全体に問題がある患者さんに対してあらゆる方法を用いて治した症例発表のセッションでした。
つまり「包括的歯科治療部門」と言うことになります。
私が発表した症例の概要は、歯のほとんどがむし歯で崩壊してしまい顎関節症にまでなってしまった状態の患者さんを、
歯列矯正治療とインプラント治療を併用しながら全体的に審美補綴治療を行って顎関節症も治療した症例でした。
歯がほとんどむし歯になっている場合には、安易に残った歯を全部抜いてインプラントに置き換える治療が主流と思われているかもしれませんが、
私の診療のコンセプトとしては、「保存できる歯はなるべく保存して、どうしても残せない歯や予後不良になりそうな歯はインプラントに置き換える」と言う方針で臨床を行なっていますので、
全部を抜いて固定性インプラント入れ歯(オールオンフォーやボーンアンカードブリッジなど)という選択肢もありますが、
部分的にインプラントにはなるけど自分の歯も残す患者さんが多いのがユアーズデンタルクリニックに通われている患者さんの特徴です。
自分の歯を残す治療は実は抜歯してインプラントするよりも難易度が高いことも多いため、
多角的な視点と複数の治療オプションを同時に遂行できる歯科医師としての技術力が必要になります。
歯を少しでも保存するメリットは噛み合わせの安定の面です。
噛み合わせは、歯を支える歯根膜という靭帯がある種センサーのような役割を果たして、
そのシグナルを脳が感知して顎運動などの機能を行うように指示を送るシステムで成り立っています。
総入れ歯や上下のインプラント入れ歯ではそのセンサーの感度が鈍くなってしまうので(歯ぐきのセンサーの方が鈍感)、
歯根膜を持つ天然の歯を残っている方が顎運動が安定し、
結果的に洗練された安定した噛み合わせになるんです。
噛み合わせが良くないことが原因で顎関節症になったり歯が割れてきたりインプラントやセラミックが壊れたりしますからね。
一本の歯を残すのはこういったことも考慮しているんです。
また、歯列矯正治療とインプラント治療の併用も簡単ではありません。
歯並びがガタガタの状態で歯が悪くなってしまったのに、
その原因を解決せずにインプラント治療だけするのは根本の解決にはなりません。
しかし多くの一般臨床歯科医は歯列矯正治療に携わっていないので、
矯正専門医と組んで治療を行うことになります。
一般的に矯正治療は奥歯を固定源に前歯を動かすのですが、奥歯がそもそもないのでインプラントで奥歯を作らなくてはいけません。
この連携が意外と難しくてお互いの先生の設定したゴールがズレてしまっていたり思った結果にならないこともあります。
矯正の先生は逆にインプラント治療や補綴治療の知識がほとんどないのでお互いの知識をシェアする必要があります。
インプラントを埋入するタイミングも歯を並べる前に行うのか、歯を並べてからインプラントに置き換えるのかなど色々です。
しかも患者さんの立場に立つと、二つの歯科医院を行ったりきたりしなきゃいけないのでそれだけでも大変です。
当院で治療を終えた患者さんも
「ここは一つの歯科医院で一人の先生が全ての治療を完結してくれるところも良いと思います。」と言っていただきました。
そういう意味においても今後は一人のドクターが複数の治療分野を掛け持ちできるスキルが必要になると思います。
今回の賞を励みにさらに良質な医療を提供できるように腕を磨き続けて参ります。
歯でお困りの方は高度総合歯科診療歯科医院のユアーズデンタルクリニックにまずはご相談にいらしていただければと思います。
当院は札幌のみならず旭川、帯広、倶知安、釧路、日高、稚内、函館などからも患者さまに来ていただいておりますが、感染対策に十分配慮して診療を行なっております。