こんにちは。
先週末の3連休は全て出張だった、院長の湯口です。
最初の2日間は大阪で歯列矯正治療セミナーに参加し、祝日の2月11日は東京でOJというインプラントの学会に参加してきました。
新大阪−東京間の新幹線移動も実は人生初!
ハードなスケジュールでしたが今回も矯正学、インプラント学について新たな知見を得ました。
早速今週から患者さまにフィードバックしております!
さて、前回のブログでは歯周病の「メインテナンス」についてのリアルな内容を記載しました。
今回は歯周病の治療法について述べたいと思います。
まず「薬を飲むだけで治す」「特殊な薬剤で洗浄する」というような治療法はほとんど科学的根拠のない無意味な治療法です。
「薬を飲むだけで治る」・・抗菌薬を服用すれば一時的に歯周病菌は減少しますが、必ず元通りの数になります。つまり治りません。
「特殊な薬剤で洗浄する」・・強固なバイオフィルムはどんな薬剤も内部までは浸透しません。例えるなら排水溝のヌメりに食器用洗剤をかけているだけのようなものです。つまり効果は全くありません。あまり強力な薬剤だと歯ぐきがただれてしまいますから・・。
このようにバイオフィルムが原因の中等度以上の歯周炎は、バイオフィルムを除去しないと始まらないのです。
その治療法は大きく分けて二つ。
A.非外科(歯ぐきの手術をしない)で歯周病菌の棲家であるバイオフィルムを除去すること
B.外科処置(歯ぐきの手術をする)も併用しながらバイオフィルムを除去すること
です。
もちろんAの方がみなさんが受けたい治療になるのですが(誰だって歯ぐきの手術はしたくないに決まってますから)、
深い歯周ポケットがあるような病態ではAでは到底治癒できないこともあります。
Bは歯ぐきを開いて、悪いところを可視化して除去するので
確実にバイオフィルムを除去することができます。
と言うのもAのように「歯ぐきを開かずにバイオフィルムを全て取り切ること」は不可能なことなのです。
歯と歯ぐきの溝の入り口(歯周ポケットの入り口)はとても狭く、
細い器具が何とか1本入るくらいの狭さです。
その入り口を傷つけることなく(傷つけた瞬間に出血することで歯周病菌に栄養を与えることになります)、
深い洞窟の奥のさらに奥の壁にこびり付いたバイオフィルムを
歯の根面は傷つけることなく的確に盲目的に取り除くことができる歯科医師や歯科衛生士はいないからです。
ユアーズデンタルクリニック にも衛生士歴15年以上のベテラン(この衛生士は本当にすごい実力です)がいますが、
表面の見た目の歯ぐきがどんなに健康的に見える状態に仕上げてもらっても(BOP10%以下、PCR15%以下)、
歯ぐきを開いてみると、取り残したバイオフィルムが確認できることがあります。
「取り残し」があれば、それはイコール再発のリスクにつながります。
前回のブログで述べたように、私たちが介在しなくても患者さま一人一人が健康的な状態を維持できる「自立」した状態を目指しているので、
治療をするからには徹底的にキレイにした上で再生のチャンスを最大限に生かそうと思っています。
現代の最先端医療技術では歯周組織は再生します。
そのチャンスを生かせるかどうかは、どんなプロトコールで治療を進めるかで左右されるのです。
「救える歯を確実に救う」のが歯医者の使命です。
ぜひ歯周病菌を減らして、
口元から全身の健康につなげていきましょう!
歯周病でお悩みの方、ご相談お待ちしています。