こんにちは。
札幌で歯周病治療の骨や歯ぐきの再生療法などを行う歯医者、ユアーズデンタルクリニック院長の湯口です。
歯周病は気づかないうちに進行する病気ですが、気づいた時にはかなり深刻な状態になっている場合が多いです。
具体的には歯がぐらぐらしてくるなどは、歯周病の進行の中でも終末期に近い状態です。
歯周病菌の出す毒素で、顎の骨が溶けてしまって、
歯を支えきれなくなってしまうのでぐらぐらしてくるのです。
全ての歯周病菌が強力なのではなく、歯周病菌はお口の中の常在菌として定着していますが、その中でも悪玉菌がいます。
レッドコンプレックスと呼ばれる悪玉3菌種の中のP.gingivalis、そしてその中の二型が最も重篤な影響を及ぼす悪玉菌の親分です。
この二型のP.gingivalisは通常の歯周検査では分かりません。
歯周病菌特定遺伝子検査が必要です。
遺伝子検査をしなければお口の中の菌の種類の特定はできないのです。
残念ながら今の歯科の保険治療では歯周病治療に対するアプローチとして歯周組織検査などの「病態検査」がメインですが、本来は歯周病菌の特定などの「病因検査」が必要なのです。
従来の保険診療で行う歯周病治療は、全員が全く同じ病態検査を行い、
全員が全く同じ治療順序で、同じような歯周治療を行う流れが一般的です。
しかし、人はそれぞれお口の中にいる細菌の種類や数が異なります。
また組織の治癒反応も個体差があるのでその人にあった歯周病治療、オーダーメイド歯周病治療を計画する必要があるのです。
ただ単に「歯周ポケットが深いから麻酔して歯石を取りましょう」だけでは歯ぐきは痩せていく一方です。
病因検査の重要性を提唱しているのは日本橋でご開業の歯周病専門医である長谷川先生です。
私自身、先週末に長谷川先生のセミナーを受講し、その重要性を再認識した次第です。
また長谷川先生は歯周組織再生療法も、歯の置かれた環境によっ再生の可能性の程度が異なる「長谷川の分類」も提唱しています。
歯の置かれた環境というのは、具体的には顎の骨の中のどこに歯が位置しているかでどこまで骨が再生するかがある程度予測できる、という考え方です。
歯を支える骨を再生させるときには、その健全な周囲組織から細胞が集まってきて骨に置き換わっていくのですが、
周りにどのくらい骨壁があるのか、だけでなく、骨の幅の中のどの辺に歯が位置しているかによって再生させる目標を変える必要があるという意味です。
やや専門的な言い回しですが、簡単に言うと「然るべきところに然るべき組織を再建する」という意味です。
歯ぐきも歯を支える骨も、歯の位置がどこにあるのかがその組織が再生するかどうかを決めます。
そのために歯列矯正で歯を動かして、組織の再生が起きやすくするのもオーダーメイド歯周治療では必要な処置の一つです。
また噛み合わせがほとんどない場合には、残っている自分の歯を守るために、
奥歯にインプラントを入れて噛み合わせを確保しつつ、前歯に歯周病治療を行うこともあります。
つまり、中等度から重度の歯周病患者さんを治療するにあたって、
歯周病治療単独だけできても十分ではなく、矯正治療やインプラント治療にも精通しておく必要があるんです。
そして歯周再生の手術に入る前に、歯科衛生士による歯磨き指導や歯石除去、患者さんのモチベーションアップなどの治療も必須です。
歯科医師だけでなく歯科衛生士ともチームを組んで一人ひとりにあった歯周病治療を行うチームアプローチが必要なんです。
ユアーズデンタルクリニックでは、銀座の歯科医院でも行われている歯周病の病因検査システムを採用していきます。
札幌でも最先端の歯科医療をテーマにブラッシュアップして参ります。
歯周病で歯を抜かないといけないと言われてしまった方、
しばらく歯医者に行っていないけど歯周病が心配な方、
家族に歯周病によって歯を失ってしまった人がいる方などは早めにこちらまでお問い合わせください。
歯周病治療に関してもっと詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。
歯周病治療は「待ったなし」です。
早く治療を開始できれば、一本でも多くの歯を残すことができます。