こんにちは
札幌市の自由診療専門歯医者「ユアーズデンタルクリニック 」院長の湯口です。
札幌も緊急事態宣言下の中、医療従事者のワクチン接種が進んでいます。
当院のスタッフも今週末に2回目のワクチン接種を終える予定ですが、副反応も出る可能性があるのでアポイントも密にしていません。
そんな中インプラント学会OJの本大会が静岡県で開催されます。
2020年のOJミッドウィンターミーティングで選抜された上位入賞者に加えて、日本のインプラント界をリードしている先生方によるコンテストや発表が行われます。
パンデミックにより1年延期を経た今回は、会場とオンライン視聴の両方での参加が可能になった画期的な大会になります。
私も講演者の一人として発表いたします。
そもそも私の発表のテーマが「天然歯とインプラントの共存」というテーマでの発表なので、まさに今回の年次大会にはぴったりの内容かと思います。
今回スペシャル講演として、世界で最も著名な日本人歯科医師である月星光博先生によるご講演が行われます。
月星先生は「自家歯牙移植」で有名な先生で、主に若年層の欠損に対して親知らずを移植する治療法で昔から知られています。
それこそ15年前に私が歯科大学生だった頃から根管治療の教科書等で名前をよく目にしていました。
その「歯の保存の大家」がなぜインプラントの学会で講演されるのか、
これこそまさにmade in Japanの歯科治療、歯の保存を考慮しつつインプラント治療を行うJapanese Dentistryだと感じるわけです。
1965年に人体に歯科用インプラントが埋入されて以来、インプラント治療のプロトコールは発展してきました。
今やその成功率は10年以上経っても90%以上を超えることが各文献で報告されるようになりました。
一方、月星先生の2002年の論文では新鮮抜歯窩への自家歯牙移植の成功率は95%と報告されています。
日本にはインプラント治療も自家歯牙移植も行う先生が一定数存在しますが、海外には皆無です。
それはおそらく日本には月星先生の影響を受けている歯科医師が多くいるからだと推察できます。
インプラントは適応症も拡大され予後も良いので万能だと思いがちですが、やはり天然歯には及びません。
歯根膜を有する天然歯の移植はその意味でとても価値の高い治療法なんです。
大きな骨欠損があった場合、インプラント治療で解決する場合には大掛かりなGBRなどの歯槽堤増大術が必要になりますが、
自家歯牙移植は歯根膜により硬組織誘導が起こるので、
骨欠損が緩やかに回復し咬合支持を得ることができるのです。
事実、手術後の痛みも腫れもほとんどないのが特徴です。
ただし、親知らずがドナー歯になることがほとんどなので、ドナー歯がそもそも無ければ歯牙移植の適応にはなりません。
ある意味、限られた人だけが受けられる治療と言えます。
こう言うと「親知らずは残しておいたほうが良い」と思う方がいるかもしれません。
しかし、親知らずは本来不要な歯であり、
噛み合わせの観点から早めに抜歯しておいた方がいい場合もあるので一概には言えないのが実情です。
ケースバイケースですね。
そんな自家歯牙移植の大家が、日本のトップクラスのインプラント臨床家が集う学会でどんな講演をされるのか楽しみです。
「歯を抜いてインプラント」が当たり前な世界的な風潮に風穴を開ける内容になることは間違いありません。
これこそまさに日本発の世界基準の歯科治療です。
医療の鎖を繋いでいくのは後輩の歯科医師の役割でもあります。
しっかりと拝聴し、明日への臨床に活かして行きたいと思います。
当院では「天然歯の保存」「自家歯牙移植」「審美インプラント治療」「インプラント骨造成」など、天然歯でもインプラントでもどちらでも高度な対応ができるように選択肢を用意しています。
ユアーズデンタルクリニックでは日本発の世界基準の歯科治療を提供できるように、スタッフ一同日々研鑽を積んでおります。
歯にお悩みの方はまずはご相談ください。