こんにちは。
札幌で歯を残す歯医者ならユアーズデンタルクリニックの院長湯口です。
少し前のブログでも触れましたが、抜歯になるのか、保存できるのかの見極めは難しいです。
先週末に横浜で日本臨床歯周病学会40周年記念大会が開催されたので参加してきました。
そこでも象徴的だったのが、海外招待演者がその分野ではトップオブトップの先生が二人もいました。
一人は、歯周組織再生の分野でその名前を知らない先生はいない、イタリアのDr.Cortelliniです。
私もDr.Cortelliniには2019年3月にハンズオンセミナーを受講して直接ご指導を仰いだ先生です。
今までの抜歯基準を根底から覆すような症例写真の数々に圧倒されたことを覚えています。
歯周病専門医でも歯の保存を諦めてしまうような、歯の根尖まで骨吸収してしまった歯に対して、
歯周組織再生療法を行うことで、歯の寿命を伸ばしてしまうんです。
その10年生存率は驚異の88%です。
ほぼ骨が病的に喪失してしまった歯が10年も保存できるのですから、本当にすごいことです。
今回の学会発表も同様な内容で、改めて復習にもなりましたし刺激を受けました。
もう一人のメインホールの海外演者がこれまたスーパースターだったのですが、
インプラント治療の骨増生の分野で世界ナンバーワンドクターのDr.Urvanです。
ハンガリーのブダペストで開業しているDr.Urvanは、
歯が抜けた場所にインプラントをしようと思っても全く骨がなくてインプラントができなくて困っている世界中の患者さんを、
通常では考えられないレベルの骨の高さと幅が得られる骨増生(骨造成)のテクニックを用いて、
インプラント治療によって患者さんに喜ばれている歯医者です。
私はDr.Urvanの書いた文献や書籍ももちろん読んでいますし、
当院の骨増生には欠かせないオペ器具もDr.Urvan推奨の器具を使用しています。
ここで言いたいのは、歯の保存にこだわる日本の歯周病専門医たちがDr.Urvanをわざわざ日本にお招きして講演を依頼したという点です。
本当にすごい先生ですが、歯の保存とは対極にあるインプラント治療のスペシャリストです。
本来なら歯の保存にこだわっている先生のみを招待してもいいはずです。
なぜインプラントの先生を呼んだのでしょうか?
答えは簡単です。
私たちは歯の保存にこだわって臨床を行っていますが、
その中でもどうしても抜歯が避けられない場面に遭遇することも事実です。
全ての歯を救えるわけではないので、抜歯してインプラント治療を行う技術も同時に学ぶ必要があるのです。
歯の保存と抜歯のどちらの治療の選択肢も良好な結果が出ることが患者さんにとってのい利益に繋がると考えています。
歯を残すことを希望している方には、歯周組織再生療法を、
歯がなくて骨もないけどインプラント治療を希望している方には、世界基準の骨増生テクニックを用いたインプラント治療を提供したいんです。
最後に世界基準の歯周組織再生療法で歯の保存を試みた症例をご提示します。
患者さんは30代の方で初診は2018年でした。
「歯がグラグラする、歯周病を治したい」という主訴で来院されました。
上記の写真の赤のラインで示しているのが、歯を支える歯槽骨のラインです。
歯槽骨ラインが波打っていて、歯を支えている骨が喪失していることがわかります。
黄色の丸で示したのは歯石です。
全体的に歯周病が進行した状態でしたので、まずは歯周初期治療を行なって、
お口の中を徹底的にキレイに清掃していきます。
歯ブラシの種類や、歯磨きの方法、頻度なども患者さんと当院の担当歯科衛生士が一緒に治療していきます。
ある程度歯ぐきが引き締まったことを確認したら、再評価を行います。
再評価の結果、歯周ポケットが深い箇所が何箇所か残っていたので、
歯周組織再生療法を行うことにしました。
何回かに分けたお口の中全体に再生の手術を行なって治療を終了しました。
上記の写真は治療が終了し2年後のリコール時のレントゲン写真です。
青いラインが歯槽骨のラインです。
術前と比べると、ラインが平坦になり歯の保存がうまくいっていることがわかります。
このように、一見歯の保存が難しいような歯周病罹患歯でも、
歯周組織再生療法を行うことができれば、歯の寿命を伸ばすことにつながります。
歯周病で困っていて当院での治療を希望される方はこちらからご予約ください。
札幌のユアーズデンタルクリニックでは世界基準の歯周病治療やインプラント治療を行なっています。