こんにちは。
院長の湯口です。
新型コロナウイルスの影響が北海道は少し落ち着いてきているでしょうか。
当医院も様々な対応策を講じて通常診療を再開しております。
問診票によるスクリーニングも継続しております。
術者は歯科医師も歯科衛生士もフェイスシールド・防護衣・マスクを着用し診療を行っております。
また当院はクラスBのオートクレーブ滅菌器をはじめ、CDCの提唱するスタンダードプリコーション(標準的感染予防策)に沿って全ての器具を患者さまごとに滅菌するシステムを開業当初から取り入れております。
歯科医院ではこうした取り組みを行っているクリニックが多いせいか、先日下記の報告が日経メディカルに報告されていました。
『ソフトバンクグループが、同グループ社員や医療者など約4万4000人を対象に、新型コロナウイルス抗体検査を行ったところ、
医療従事者の中で最も陽性率が高かった職種は、受付・事務など(陽性率2.0%)、次いで医師(1.9%)、看護師など(1.7%)と続き、歯科助手(0.9%)および歯科医師(0.7%)は比較的陽性率が低かった。
「高リスクと思われる歯科関係者の陽性率が低かったのには驚かされた。歯科での感染対策や診療した患者の特徴など深掘りをする必要がある。」と国立国際医療研究センター理事長特任補佐の大曲貴夫氏が会見で指摘した。』
この記事を読んだ感想としては「そうだろうな」という感想です。
そのくらい普段から私たち歯科医療従事者は感染症対策に力を入れてきたのです。
対策を講じながらユアーズデンタルクリニックでは通常診療を再開しております。
さて、前置きが長くなりましたが今回は「歯ぐきの専門治療について」です。
通常歯ぐきの治療というと、歯科衛生士さんが行う歯石とりだと思う方がいるかもしれませんが、
専門治療となるとそれではないんですね。
歯ぐきのトラブルは様々な病態があり、「歯ぐき下がり(歯肉退縮)」・「歯ぐきの変色(メラニン沈着、メタルカラーの透過、メタルタトゥー)」・「ガミースマイル」・「歯ぐきの赤み、腫れ(歯周病)」などでしょうか。
その中でも特にお悩みが多いけど解決策が分からないのは「歯ぐき下がり(歯肉退縮)」ではないでしょうか?
「歯ぐき下がり(歯肉退縮)」とは、歯の周りにある健康な歯ぐきが何らかの理由で下がってしまうことを指します。
歯ぐきが下がってしまう原因はいくつもあります。
①加齢変化
②誤った歯ブラシの当て方
③食いしばり・歯ぎしり
④歯並び・歯列矯正
⑤歯周病
などです。
歯ぐきの厚みや骨の厚みが薄くなってしまうことによって歯ぐき下がりが起きてしまうのです。
なので解決方法としては、歯ぐきのボリュームを増やしつつ歯ぐきが下がった部分を覆う治療が必要になります。
専門用語で「根面被覆」と言います。
歯ぐき下がりには分類があり、
1985年にMiller PDが提唱した歯肉退縮の分類がもっとも有名です。
I級は歯肉退縮が硬い歯ぐきと軟らかい歯ぐきの境目である歯肉-歯槽粘膜境(muco-gingival junction:MGJ)の範囲内であり、かつ両側歯間部に付着の喪失や歯槽骨吸収のみられないもの。
II級はMGJを越えているが両側歯間部に付着の喪失や歯槽骨吸収がみられないもの。
I、II級であれば100%の根面被覆が期待できます。
III級は歯肉退縮がMGJまで達している、またはそれを越えているもので、なおかつ歯間部における付着の喪失や歯槽骨吸収があったり、歯の位置異常によって100%の根面被覆が困難であり、
IV級は歯肉退縮がMGJまで達していたり、またはそれを越えているもので、なおかつ歯間部における付着の喪失や歯槽骨吸収があったり、著しい歯の位置異常によって根面被覆が困難で期待できないとされています。
簡単に言うと、歯ぐきの下がり方によって、解決方法や治療の成功率が異なってくると言うことです。
当院での治療例がこちらです。
特にこのような歯ぐき下がりの治療は、歯周外科と呼ばれる歯周病治療の中でも「歯周形成外科」という保険が効かない自由診療のジャンルになるため、
全国の歯科医院の中でも3%ほどと言われている歯周外科を行うクリニックの中でも、施術を行っているクリニックとそうでないクリニックに分かれる治療です。
当院では歯ぐき下がりの治療のみならず、ガミースマイルの治療など歯周形成外科の経験は豊富ですので、気になる方はぜひお問い合わせください。
歯ぐきがキレイになればアンチエイジング効果もあり笑顔も素敵な印象になりますよ。