ユアーズデンタルクリニックの考える歯周病の治療とは?
失われてしまった歯槽骨
歯槽骨が再生した状態
ユアーズデンタルクリニックの歯周病治療のゴールは、失われてしまった、歯を支える骨(歯槽骨)を再生させることです。その理由としては、歯を支える骨が失われてしまうことによって、抜歯の可能性が高くなっていくからです。
虫歯・歯の破折・根尖病変(根っこの膿)は単独歯といって、1本の歯だけが抜歯予備軍であることが多いのですが、中等度や重度の歯周病においては、隣在歯(隣や周りの歯)も抜歯予備軍であることが多いです。
歯周病になっている歯の抜歯予備軍の患者さんは、お口全体の単位(トータルマネージメント)で診ていかなければなりません。そのため、ユアーズデンタルクリニックでは、歯を支える骨を再生させることを目的とした、診査・診断および治療計画を立案し、個々人に必要な歯周病の治療を行います。
院長の湯口が語る歯周病治療の本質を動画でみる
歯周病の疾患概要について詳しく知りたい方へ
このページは主に「歯周病の治療」にフォーカスしています。
歯周病がどのような病気か知りたい方は、歯周病とは?というページに詳細を記載しておりますので、そちらをご一読ください。
当院でよく質問される「抗生物質で歯周病は治るのか?」「歯周病は完治するのか?」に関しても、動画を掲載して詳しく説明しております。
あなたの歯周病が治らない、どうして再発してしまうのか、抗生物質のみでは歯周病が治らない理由がわかるページになっていると思います。
歯周病とは?歯周病の原因と治療の本質を語る歯周病の診断について
最初は限局的な垂直骨欠損から始まります。
歯周病が進行すると、欠損している部分に合わせて周りの骨も骨吸収(骨が溶かされる)されるので、水平性の骨吸収になっていきます。
そうすると、奥歯などが水平性に骨吸収している場合は、全体的に骨欠損していることになるので、骨を復活させるのは難しいです。それが歯の保存と抜歯の分かれ道になるのです。
レントゲン写真で骨欠損を理解する
わかりやすいレントゲン写真を示します。
この赤い線が歯を支える骨(歯槽骨)です。
波形のように赤い線が確認できますが、これが骨が溶かされてしまっていることを表しています。
線を見ると垂直と水平がわかりやすいかと思います。
ちなみにこの患者さんは、30代女性で重度歯周病でした。
※この症例は後ほど改めて詳細をご紹介します。
歯を残したいと思われている方へ
骨欠損がV字型であれば、骨が復活できるチャンスがあります。
なぜなら、悪くなっている骨の隣の歯が、健康な歯周組織を豊富に持っている可能性が高いため、そこから組織再生が起きます。
限局型の重度(1〜2歯)は、骨再生を目指せば、健康的な歯のように機能し始めることができます。したがって、いかに垂直性の時に歯周病を発見して骨吸収を治すかが重要です。
ユアーズデンタルクリニックの特徴
徹底した歯周基本治療(初期治療)
初期治療に時間を掛ける意味は、身体が自然に治そうとする反応を最大限活用することにあります。
そうすると、歯周基本治療(初期治療)だけで組織再生が起こり始めます。
歯周基本治療をすることで再生が起こりはじめて、そのポテンシャルを最大限に出し切った上で、歯周組織再生療法に入るから、本当の意味で歯周組織再生療法の効果が得られます。
保険診療では残念ながら、歯周初期治療に時間と手間をかけることができません。それは保険診療のルールでは、歯周基本治療に時間をかけられる仕組みになっておらず、そこまでやろうとすると無償対応をしなければならないのです。
したがって、正常な治癒を待たずに外科治療に移行してしまう場合があります。
口腔内の菌数を減らす、歯肉の丈夫さを取り戻す
歯周病の治療で重要なことは、2つあります。
・歯周病の原因となる細菌数を減らす
・歯肉の炎症を抑え、歯周外科治療に耐えうる歯肉の丈夫さを取り戻す
これらは上記で説明した歯周初期治療で目指すことです。
細菌数を減らし、炎症を抑え、丈夫な歯肉を作ることは、歯周組織の再生には必須条件です。
だからこそ、歯周基本治療には時間をかけるべきなのです。
ここで妥協をすることで、残せる歯を残せなくなる可能性もあります。
歯周基本治療の目安は半年〜1年程度(手術前まで)となります。
最先端の歯周治療、歯周組織再生療法を実施
常に、世界中の論文を読み、世界最先端の治療を導入しています。
また、マイクロスコープ・レーザー・CTなど、高度な歯周治療専門機器を用いて治療にあたっています。
スタディグループに所属し、切磋琢磨しながら研鑽しています。
その結果2023年に刊行するクインテッセンス出版の歯周病イヤーブック(1年に1回日本のトップデンティストを集めて症例を出す本)に、院長湯口の行った歯周組織再生療法の症例が掲載されました。
掲載された症例は下記のページでご覧いただけます。
歯周病が改善するまでの流れ
(所要時間:1時間半程度)
・顔貌
・口元
・口腔内のスライド撮影
・レントゲン14枚法
・パノラマレントゲン写真
・歯周組織検査
・咬合診査:側方ガイドの歯の確認
(必要に応じて中心位の咬頭嵌合位のズレの確認)
歯周病は炎症と噛む力の両方のコントロールが必要になるので、
その双方をどのような方法で安定させるかの計画を立てるために、診査・診断を行います。
(所要時間;50分程度)
診査・診断した資料を用いて、カウンセリングを行います。
最も重要なのは、患者さんのご希望をお伺いすることです。そのご希望に対しての選択肢(治療計画)を提示することが当院の役目です。
患者さんの希望を実現するためのゴールを導き出すのがカウンセリングの最も重要なポイントです。つまり、どうなりたいのか?どのような治療を用いて改善してほしいのか?を決定していくことにあります。
例を出すと、
A:歯周病を治した上で、歯を何としても残したい
B:歯周病を治した上で、長く自分の歯を維持したい
C:歯周病を治した上で、審美的に優れた状態が良い
これらの要望があった場合に、治療の予後を想定した提案(メリット・デメリット含む)を行った上で、最終的に患者さんがどの状態を選ぶかによって、治療計画は異なってきます。
ご説明した内容に同意していただけたら、契約書を締結します。
(歯周基本治療)
・口腔衛生指導(生活習慣アドバイス+ブラッシング指導)
・SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
・エアフローによるバイオフィルム除去
・咬合調整(咬み合わせのコントロール)
・虫歯治療、根管治療
・暫間固定(動揺している歯の固定)
これらを歯科医師、歯科衛生士のチームアプローチで半年〜1年かけて行います。
再検査を行い、歯周初期治療によってどのような変化があったかを評価していきます。
再検査を行い、歯周初期治療によってどのような変化があったかを評価していきます。
・14枚法の写真
・BOP(出血度合い)
・プラーク付着度合い
・歯肉の引き締まり具合
・動揺の治まり具合
これらを評価し、改善していればメンテナンスに行く方もいますし、
歯肉の強度が取り戻せていれば、歯周外科治療及び歯周組織再生療法に移行していく方もいます。
症例1:重度歯周病の歯を歯周組織再生療法で全て保存
上顎Before
上顎After
下顎Before
下顎After
●年代、性別:30代 女性
●主訴:歯がグラグラする
●診断:全額的な重度歯周病(歯槽膿漏) オープンバイト(開咬)
●所感:臼歯部だけで噛んでいる状態のため、ぐらついている歯が揺らされてしまい、歯周病の進行を加速させてしまっていた。(咬合性外傷)
このような場合は、本来は矯正治療を行って、歯列を改善させ、咬合の状態を改善することを同時進行で行う必要があった。患者さんはそこまで完璧な治療は求めていない、費用的にも厳しいので、現状のまま、失われた歯の骨を再生させたいというご希望でした。
●治療概要:歯周初期治療、歯周組織再生療法
●治療のリスク:知覚過敏、術直後の疼痛・腫脹
●治療期間:約2年
●治療費用:220,000円(税込)/ 片顎
・歯周組織再生療法後の、歯肉と骨の状態を確認
・追加の処置が必要かの判断
・メンテナンス、SPTに移行するタイミングを検討する
歯周ポケットがいかなる治療を施しても残存してしまう場合があります。その場合は、それよりも悪くならないように行う継続的な処置であるサポーティブ・ペリオドンタル・セラピー(SPT)を行います。
改善されている場合は、良好な状態をできる限り長く維持するためのメンテナンスを行います。
歯周病にかかる費用
・精密診断:16,500円 / 1口腔単位
・歯周初期治療:26,400円〜70,400円(税込)/ 1口腔単位
・歯周組織再生療法:165,000円〜330,000円(税込)/ 1ブロック
・メンテナンス:8,800円(税込) / 1回
・SPT:8,800円(税込) / 1回